遺伝の影響が大きい

残念ながら、ワキガは遺伝による影響が大きいとされています。それもかなり高い確率です。近年の研究で、「16番目の染色体」の作用が影響していることがわかりました。遺伝子レベルで起こることなので、ワキガ体質の親を持つ場合、その子供もなりやすいです。

両親がワキガの場合、その子供は約75％、片親だけの場合は50％以上が発症するといわれています。両親にはなくても、祖父母がワキガ体質の場合は、孫にまで受け継がれることもあります。

ワキガになりやすい体質

「臭うかも？」と気になる方は以下の点をチェックしましょう。

・親やわが子がワキガの場合

ワキガの多くは遺伝によるものです。自身の臭いには気づいていなくても、家族の中にワキガ体質の方がいる場合は、自身もワキガの可能性があります。

・耳垢が湿っている

耳の外耳道（がいじどう）には皮脂腺や耳垢腺の他、ワキガの元であるアポクリン腺も存在します。アポクリン腺が活発だと耳垢は湿りやすくなるため、確率も高まります。

・思春期

アポクリン腺は、思春期になると発達します。そのため、10～15歳の頃に発症しやすいです。

・性別

ワキの臭いは男性のほうが強い傾向にありますが、遺伝形質上ではワキガの男女比は変わりません。女性は、生理中や妊娠によるホルモンの分泌により、臭いが強くなる傾向にあります。

ワキの臭いが気になったら、以下の内容をチェックしてみてください。

人からはうつらない

ワキガは体質なので、水虫のように肌に触れると周りの人にうつる、もしくは同じものを着用したことでうつされる、ということはありません。

例えば、家族間でワキガの人が着たシャツと一緒に洗濯をしても、問題はありません。異臭がある場合はうつったのではなく、家族間での遺伝的要素の問題です。また、生活環境の変化やホルモンの乱れなどの原因で、ワキの汗腺が活発になっただけの可能性もあります。

錯覚されやすいシーン

「うつってしまった！」と錯覚されやすいシーンは以下のとおりです。

・衣服の貸し借り

衣服の貸し借りや衣装が回ってきたときなど、強い臭いがある場合、心配になることもあるでしょう。しかし、ワキガは人からうつるものではありません。異臭を感じたとしても、衣服自体にしみ込んでいた臭いと、自身の汗が反応して起きた可能性が高く、一時的なものです。

・体温計の共有

ワキガの人が利用した後の体温計を使っても問題はありません。気になるようなら一度除菌シートなどで拭くとよいでしょう。

・洗濯

家族にワキガの人がいると、一緒に洗濯することに不安を感じることもあるでしょう。実際、洗濯カゴに入れていると、臭いがうつってしまうことがあります。こちらも衣服に臭いがうつっているだけで、体質が変わることはありません。

臭いの元であるワキの汗腺は、緊張したり刺激を受けたりすることで発汗量が増えます。何らかの原因で汗に接触すると、うつったような気持ちになりますが、しばらくの間臭いがうつるだけで、体質まで変化するものではありません。